2011年4月アーカイブ

4月16・17日の五色園第4次修復、完了しました


16hagasi1.jpg雨予報だったのですが、
奇跡的に両日とも快晴晴れ
うららかな春の陽気にも誘われてか、
過去最高ののべ135名の方々が
集まってくださりました!

今回は、非常に色数の多い場面が
対象だったのですが、順調に作業は進み
予定していた「月見の宴」10体と
「赤山明神貴婦人邂逅」の2体の
塗りなおしが無事に完了しました。
 


sekizanmyoujinhagasi.jpgまた、今回は五色園と同じく浅野祥雲さん作品スポットのひとつ
「関ヶ原ウォーランド」の館長さん
(といっても若い美人さんハート)、
野外彫刻の修復を専門家の立場で行っている愛知教育大学・美術・彫刻の宇納一公教授とその生徒さんたち、同じく愛教大の地獄絵研究家・鷹巣純准教授(お昼休みにミニ講座も開いてもらいました)、 そして前回に続いて大仏ライターの坂原弘康さんと、多士済々のメンバー。

よりディープで専門的なアプローチで、修復に取り組むことができました。


416hagasi2.jpg「月見の宴」の塗装では、大胆な色の塗り替えを
行いました。
これは、趣味で勝手に色を選んでいるわけでは
決してなく、はがしによって現れた過去の色を元
にしたり、それぞれの人物の位にふさわしい色を
選ぶなど、考慮した上で色を選んでいます。

→古い塗装をはがすと違った色が 現れ、
塗り替えられていることが分かります



五色園の像は、完成から77年がたち、
何度も塗り重ねが行われています。
その間に、色は変更され、顔も塗り重ねられ、
オリジナルの状態ではなくなっています。




tukiminoennurikae.JPG
完成時の状態を伝えるカラー写真なども、以前このブログで紹介した「夜盗耳四郎聞法の場」以外は現存せず、オリジナルの姿はもはや知るよしもありません。
修復プロジェクトでは、はがしをすることによって分かる古い時代の色や、
場面の雰囲気にふさわしい色を優先して塗りなおしを行っているのです。


tukiminoenkansei.jpg
sekizanmyoujinkansei.jpg
ともあれ、入口を入ってすぐの場所にある「月見の宴」がきれいになったことで
来園者の五色園および祥雲作品に対する印象が
少しでも改善されるといいなぁと願っています。

最後に、あらためて、修復活動にご参加くださった皆さまに
御礼申し上げます。

本当にありがとうございました
!!