2017年4月15・16日に開催の番割観音修復活動、無事に終了しました。
お色直ししたのは番割観音十番札所に建つ、十一面観音と弘法大師の2体。高さはそれぞれ3~4m。観音様は慈悲に満ちた柔和なお顔立ち、弘法様は若々しく凛々しい立ち姿。浅野祥雲さんが昭和48年、83歳の時に手がけた晩年の傑作です。
多くの人に作業に参加してもらえるよう本格的な足場を設置。ちびっ子たちもたくさん参加してくれました
建立当時のカラー写真が残っているという点でも非常に貴重で、できる限りオリジナルに近づける形で修復を行いました。奉納されてから44年。色あせ、所々ひび割れも目立ち、これまで一度も塗り直しなどは行われていないと思われましたが、古い塗装を削ると下から異なる色の塗料が現れ、一度塗り直しが行われていることが判明しました。
遺族のアルバムに残る完成時のカラー写真
2日間でご参加下さった方は約80名。そのうち地元中川区の方が約25名、うち近隣の十番町の方が約20名、作業に取り組んでくれました。
お昼休みには特別ミニ講義も開催。初日は富士山滑り台研究家・牛田吉幸さん、2日目は中川区まちの魅力発信隊による百曲街道についての講義。番割街道と同様、地域の隠れた文化に興味がわく内容でした。
今回のMVPはイラストレーターのA藤さん。不鮮明な完成時の写真を頼りに、観音様の衣の絵柄をフリーハンドで再現してくれました!
弘法様のビフォー → アフター
十一面観音のビフォー → アフター
像の周りの花瓶や祠、蝋燭台などもきれいにお色直ししました
浅野祥雲作品再生プロジェクトの活動は16回目。その中でも今回は小さな地域の氏子会が主催するもので、地元の方々が寄付金を募って活動費に充ててくださいました。氏子の皆さんは当初、人もお金も集まるか半信半疑のようでしたが、回覧で寄付を募ると予想以上の浄財が集まり、また作業当日も多くの方がお集まりくださいました。基金に余裕ができたため、お精抜き、お精入れも行うことができ、さらに幟も新調して、札所全体が華やかさを取り戻しました。修復活動が地域の埋もれていた文化、薄まりがちなつながりを見直す一助になれば、祥雲さんも草葉の陰で喜んでくれることと思います。
ご参加下さった皆様、お力添え下さった皆様、本当にありがとうございました!
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